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カタツムリ

 ある日の暮れのこと。落ち葉掃除をしていた祖父に何かを手渡されました。手のひらにコロンと落ちてきたのは懐かしい渦巻き模様。殻の奥底にきゅっと体を縮こまらせたカタツムリでした。
 私たちがよく使っている「カタツムリ」という呼び方。実はこれ、種名でもなんでもなく、言うなればただの通称なのです。同様に、「でんでんむし」や「マイマイ」と言った呼び名もただの通称であり日常語。実際には「ツクシマイマイ」や「フリイデルマイマイ」といった種名が付けられています。
近 所に雨上がりには、右を見ても左を見ても、上を見ても下を見てもカタツムリだらけ、といったブロック塀がありました。カタツムリは殻の形成や維持にたくさんのカルシウムを必要としているため、コンクリートに含まれるカルシウムを摂取するために集まってきていたのです。
 童謡などでもたくさんの人に親しまれている人気者。ゆったりと葉の上を移動する姿や、ちまちまと餌を食べている姿はずっと見ていられるほどの可愛らしさです。また、手のひらや腕を這っているときのひやりとしたむず痒さに覚えがある人も多いのではないでしょうか。
 体だけ見るとナメクジと大差ないのに、あの渦を巻いた殻を背負っているだけで可愛らしく見えるのはどうしてなのでしょうね。

K.


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2022.12.14 | | Comments(0) | Trackback(0) | その他

ハエトリグモ

 机の上で作業をしていると、視界の端でぴょこぴょこと動く黒い影がありました。視線を向けると、積み上げられた本の上を忙しなく飛び跳ねるハエトリグモがいました。黒と白の体をしたアダンソンハエトリ。我が家の小さなアイドルです。
 クモ目ハエトリグモ科のアダンソンハエトリは、世界的に広く分布し、家の中で当たり前のように見られるハエトリグモです。ハエトリグモとしてイメージの強い白と黒の絡蛾をしているのは、アダンソンハエトリのオスになります。頭胸部の腹部寄りに部分に、白の三日月形の斑紋があるのが特徴です。メスは茶褐色の体をしており、腹部中央に淡い色の帯が縦に入っています。
 クモと言えば、糸で出来た巣を張って餌を捕まえるイメージの方が強いですが、ハエトリグモは自ら家屋の中を歩き回って餌を採ります。多くの人に忌避されがちなクモですが、ハエトリグモは私たちの生活において非常に有益な生き物です。例えば、その名前にも付いているハエ、誰もが忌み嫌うゴキブリ、カ、ダニなどなど。ハエトリグモは自分が捕まえられるサイズのものであれば、様々な昆虫などを食べてくれる益虫なのです。
 くりくりとした真ん丸な目。小さな体で健気に移動する様子。ぴょこぴょこと飛び跳ねる動き。よく見てみると、実際はとても可愛い生き物だと思います。ぜひ一度、その可愛らしい姿を観察してみてください。

K.

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2022.11.16 | | Comments(0) | Trackback(0) | その他

サワガニ

今回は、水の中を忙しそうに歩き回っていた「サワガニ」を紹介します。

サワガニは、大きさ3~4㎝程度と小ぶりのカニで全体的に毛がなくツルツルしており、体の色が赤褐色の(赤系統)と灰褐色の(青系統)の2種類があり、地域によって大きく異なるのが特徴です。また、水の綺麗な場所を好み、淡水域で一生を過ごすことも特徴で、水質を評価する環境指標種としても有名な日本固有種のカニです。山間部の上流域や綺麗な水の流れ込む湿地などで観察することができます。雑食性で、夜に活発に活動し昼間は石の影や流木などに隠れてジッとしています。

メスは年に一度産卵し、一度に30~50個程の卵を産みます。他のカニに比べて卵の数が少なく、卵が3㎜程度と大きいという特徴があります。また、他のカニは生まれたての場合カニらしい姿をしているものは少ないですが、サワガニはカニには珍しく産まれたばかりでもしっかりとカニの姿をしています。冬は水辺の石の下や朽木の下に穴を掘り越冬します。体は小さいですが長生きで、長いものでは10年程生きると言われています。涼しい水辺に行く機会の多いこの時期にみなさんも是非観察してみてください。

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しっしー

2020.08.21 | | Comments(0) | Trackback(0) | その他

フタスジナメクジ

今回は、樹の幹を大きな体で上っていた「フタスジナメクジ」を紹介します。

フタスジナメクジは、体長が10㎝程度と大きく茶褐色の体で、体に3本の濃い茶色のラインが入り、特に側面の2本が濃くハッキリしていることが大きな特徴です。食べ物は、色々な植物やキノコなどを食べる雑食性で、畑や菜園・庭など身近な場所で観察できます。

フタスジナメクジなどのナメクジは陸生の貝の仲間です。貝の仲間という割に殻がないと思う人も多いかもしれませんが、ナメクジはより狭い場所に入り込む為に殻を退化させるという進化を遂げました。しかし、殻がない為敵からの攻撃には無防備で乾燥にも弱いという弱点を持っています。

そんなナメクジの撃退法として塩をかけると退治できるという方法が有名ですが何故塩をかけると退治できるのか気になりますよね?ナメクジの体は、水だけを通して食塩を通さない「半透膜」という膜で覆われています。そこに塩をかけると塩がナメクジの水分だけを吸い出すので体が縮みます。その結果、ナメクジは体の約90%が水分なので水分が無くなれば死んでしまうという訳です。

雨が多くジメジメしたこの時期、よく観察できるフタスジナメクジをみなさんも観察してみてはいかがでしょうか?

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しっしー

2020.07.28 | | Comments(0) | Trackback(0) | その他

ツクシマイマイ

今回は、壁にピタッと張り付いていた「ツクシマイマイ」を紹介します。

ツクシマイマイは、カタツムリといって一番に思い浮かぶよく見かける種類のカタツムリで薄茶色の殻に濃い茶色の渦巻き模様がついていることが特徴です。ですが、住んでいる地域などでかなり殻の模様や色合いが変わるので少し分かりずらいかもしれません。大きさは、3㎝程度にもなり大きめでよく目立ち比較的簡単に見つけることができます。

カタツムリは、殻を背負っているのではなく殻も体の一部で殻の中には内臓があります。その為生まれ時からとても小さな体にもしっかり殻がついています。小さなカタツムリを見つけたら近くでよく観察してみてください。カタツムリは夜行性で、昼間はあまり動かずにじっとしていることが多く、寒さや乾燥に弱いので6月~8月頃の湿った時期が一番活発に活動します。食べものは雑食性で野菜や草花はもちろんキノコやコケなどを食べる他、コンクリートも表面をやすりのような口で削って食べます。コンクリートに含まれる炭酸カルシウムはカタツムリの殻を丈夫に維持するために必要な栄養です。コンクリートの壁で何をしているのだろうと思っていましたが、一生懸命ごはんを食べていたとは面白い発見です。

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しっしー

2020.06.26 | | Comments(0) | Trackback(0) | その他

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