ヤブツバキ
深い光沢のある緑の中で、否応が無しに視線を引き付ける艶やかな赤。開いた花弁は、淑やかなようにも妖艶なようにも見えるヤブツバキが盛りを迎えていました。
ツバキ科のヤブツバキは、公園や森の中など様々な場所で目にすることができます。椿といえば紅の花が真っ先に思い浮かびますが、種子も椿油が採れることで知られています。黄金色のとろりとした椿油は、食用として使って良し、髪や肌など体に使って良しの万能なツバキの恵みです。ツバキの花は枯れるときに花弁と雄しべが萼を残して丸ごと落花します。その様子は『落椿(おちつばき)』と表現され、人の首が落ちる様を連想させるため、病人のお見舞いなどにはタブーとされているようです。
日本で古くから親しまれてきた花の一種である、ヤブツバキを始めとした様々な種類のツバキたち。沢山の色や形を持つ品種が生み出され、その様は豪華絢爛の一言に尽きます。とは言っても、やはりツバキと聞いて頭に浮かびやすいのは、ヤブツバキのようなオーソドックスな姿をしたものなのでしょうね。
K.
2023.03.09 | | Comments(0) | Trackback(0) | 植物
