ヤマザクラ
春雨の降る中、ぽつぽつと山の中で白く煙る部分が見受けられました。淡い淡い、白というには僅かに淡紅色が掛かった柔らかな色。山奥の至る所で、ヤマザクラがつぼみを綻ばせ始めたようです。
バラ科のヤマザクラは、日本に自生する固有種の一種です。公園などで見かける一般的なサクラのソメイヨシノとは異なり、花の開花と同時に赤褐色の葉を広げ始めます。古い和歌に詠まれたり、家具の材料にしたりなど、私たちの生活に古くから寄り添ってきた植物でもあります。
ソメイヨシノなどのサクラよりも、どこか武骨で、野性味のあるヤマザクラ。それでいて儚く花弁を落とすさまは、当たり前のようでありながらも日本の春の貴重な一幕として、人々の心を動かし続けてくれるのでしょう。
K.
2023.03.25 | | Comments(0) | Trackback(0) | 植物
