丸太のムシ パート2
昨日に引き続き丸太から出てきたムシの話題。
コクワが出てきた丸太の次に手に取ったアラカシの丸太。
(丸太といっても直径20センチ、長さ25センチほどのもの)
その切り口を見ると、写真のような穴が開いている。
穴の入り口からはクズクズになった、おそらく元々は穴の部分を形成していたと思われる植物の繊維。
・・・穴の奥が気になる・・・
繊維を掘り進んで見ました。
穴を掘り進んで行くと、植物の繊維に混ざって、ちょっとテラテラした薄皮のようなものが出てました。
写真では分かりにくいかな?
黒っぽい、キバ状の突起のようなものが付いた部分もある・・・。
更に掘り進んでいくと中から「キー、キー」という鳴き声(?)も聞こえてきました。
この辺りで穴の主の正体は何となく分かってきたのですが、最後まで掘ってみることに。
・・・で、最後まで繊維を取り除いた先にはちょっと広めの空洞と、空洞の中で鳴き声を上げながらモゾモゾとうごめく影。
穴の奥には黒っぽいボディに白い模様の入った、結構大きな甲虫がいました。
ここまで確認できれば、穴の主はおそらく「シロスジカミキリ」だろうと見当が付きました。
穴を割って引っ張り出そうかとも思ったのですが、まだシロスジカミキリが出てくるには時期が早すぎだろうということで、掘り出した繊維を再び穴に詰め、アラカシの丸太はそのまま放っておくことにしました。
適当な時期になれば、自分で穴を開けて這い出てくるでしょう。
ここで終りかと思ったのですが、この後もう一波乱。
別の丸太を手に取ると、ここにも植物の繊維が飛び出た穴。
このときはさきほどのカミキリが作った穴の片方だろうということで、何のためらいもなく割ってみました。
すると、出てきたのがこちら。
下の穴からは何とシロスジカミキリの成虫。
上の穴には、繊維の塊の下でウゴウゴしている同種と思われる幼虫が出てきました。
こちらは成虫の写真。
出てきた直後は茶褐色の液体でぶず濡れで、グッタリしていたので羽化に失敗して死んでしまったのかと思いました。
「死んでしまったのなら・・・」と、標本にするためにそのまま室内で保管しておくと、夜になって「キー、キー」と動き出しました。
もう少ししたら野外に放すことにし、取り合えず飼育容器に引っ越して一安心。
こちらは幼虫の写真。
成虫もかなりの迫力ですが、幼虫の顔もかなりのものです。
この大顎で、あの硬いアラカシの幹をズタズタにしているんですね~。
シロスジカミキリにとっては大変な迷惑だったでしょうが、色々な発見があって楽しい丸太騒動でした。
(ガン)
2010.03.15 | | Comments(0) | Trackback(0) | 昆虫
